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小屋や離れの増築 確認申請は必要?ケース別の法規制や申請費用などを詳しく解説
小屋や離れを増築する際の確認申請・法規制を詳しく解説

小屋や離れの増築 確認申請は必要?ケース別の法規制や申請費用などを詳しく解説

2022年2月8日
2024年12月4日
Shaer
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こんにちは。愉くらしリフォームの大功です。

離れや小屋の増築を行う際には、建物の規模によっては確認申請が必要となるケースもあります。一般的には10㎡以下の増築であれば確認申請は不要であるとの認識になりますが、地域によっては確認申請が必要となるケースもあります。

この記事では、

  • 敷地内に新たに建物を建てる際の手続き(確認申請)
  • 確認申請の費用について
  • 確認申請以外の法律について
  • 固定資産税について
  • 増築後の登記について

などについて解説していきたいと思います。

昨今は小屋のキットなども販売されているので、ちょっとしたものであればDIYで小屋や離れを増築される方も増えているようです。しかし、建物を建てる以上は建築物となるため、確認申請が必要かどうか?だけでなく、法律や条例で規制される点もありますので参考になればと思います。

参考:約6畳の増築の際の費用の目安についてはこちらの記事もご参照下さい。

愉くらしリフォームの増築工事事例を紹介|現場日記はこちらから

小屋・離れ増築の際の建築確認申請について

建築確認申請とは、建築する建物が建築基準法や各種条例に沿っているかの審査を受けるために新築や増築をする際に行う手続きになります。
小屋や離れを増築する場合、床面積が増えることになるため原則として確認申請が必要となります。ただし、次の場合は確認申請は不要になります。

確認申請が不要な場合

一つ目は、増築する面積が10平方メートル以下の場合です。この場合は、建築確認申請が不要となりますが、お住まいの地域の条例によって異なることもあるため、事前に自治体に確認しておくことが重要です。

面積が10㎡以下の場合は確認申請が不要

増築する建物の床面積が10㎡以下で次の条件を満たす場合、建築確認申請は不要となります。

  • 都市計画区域外の場合
  • 防火地域や準防火地域に指定されていない場合

二つ目は、特定の条件を満たす軽微な構造変更の場合です。ただし、これもまた細かな基準があるため、専門家に相談するのが賢明です。

さらに、建築確認申請が不要な場合でも、他の法令や条例が適用されることがあります。たとえば、景観条例により建物の外観に関する規制があったり、文化財保護法により特定の地域では建築行為そのものが制限されることがあります。また、都市計画区域内であれば、用途地域によっては住宅の増築が制限されることもあるため、土地の用途をしっかりと確認しておくことが必要です。 

面積が10㎡以上の場合は確認申請が必要

対して、増築する建物の床面積が10㎡以上となる場合は、基本的に建築確認申請が必要となります。また、10㎡以下の場合でも、防火地域や準防火地位に指定されている場合は確認申請が必要となります。

※増築を計画している場所(立地)が、防火地域かをご自身で確認するには方法としては、行政機関に問い合わせたり、インターネットで調べることも可能です。インターネットで検索する場合は、「◯◯市 都市計画」といった検索キーワードで検索をすると、大体の場合は見つける事ができると思います。なお、弊社所在地である千葉県松戸市の場合はこちらから確認することができます。 ・松戸市 都市計画図

このように増築が10㎡以下であっても、立地等の条件によっては確認申請が必要となるケースもあります。もちろん、お問い合わせ・ご相談時には弊社の方でも確認しますのでご安心ください。

なお、10㎡というとピンと来ないかもしれませんが、馴染み深い表現で言うと約6帖(9.9㎡)になります。ですので、たとえば増築した広さが6帖の居室に1帖分のクローゼットなどの収納を付けた場合は、10㎡を超えますので確認申請が必要となります。

※当然のことですが、建築確認申請が不要な場合でも、建築基準法や各種条例を遵守して増築をするということは変わりません。

増築の建築確認申請にかかる費用は?

増築の際の建築確認申請には「確認申請」「中間検査」「完了検査」の3つの申請手数料が発生します。それぞれの費用は面積によっても異なりますし、確認申請をおこなう自治体によっても異なります。ここでは、弊社が所在する千葉県松戸市を例にご紹介します。

確認申請にかかる費用

  • 30㎡以下:6,500円
  • 30㎡超~100㎡以下:11,500円

中間検査にかかる費用

  • 30㎡以下:11,000円
  • 30㎡超~100㎡以下:13,000円

中間検査済完了検査にかかる費用

  • 30㎡以下:10,500円
  • 30㎡超~100㎡以下:12,500円

※中間検査についてはリフォームの内容(工事の規模)や自治体によってその有無が変わってきます。

完了検査にかかる費用(中間検査が無い場合)

  • 30㎡以下:11,500円
  • 30㎡超~100㎡以下:13,500円

※出典:松戸市 各種申請手数料(https://www.city.matsudo.chiba.jp/jigyosya/kentiku/kentiku/jizenkakunin/tesuuryo.files/kakunintesuryo.pdf

上記は、それぞれ「申請時に窓口で支払う手数料」となります。一般的には建築士により書類や図面を作成する費用も含めて20万~40万程が建築確認申請に係る費用となります。

確認申請以外にも知っておきたい小屋・離れを増築する際の法規制

ご存知可と思いますが、建築物を建てる際には建築基準法で定められたルールに則って建てる必要があります。
自宅の敷地内で小さな建物であれば自由に増築できるかというとそうではありません。

ですので、小屋や離れを増築する際にも建築基準法で定められた法規に従う必要があり、違反すると施工業者だけでなく、施主様もペナルティを受けることになるので知っておく必要があります。

増築NG?! 一つの敷地内には一つの建物しか建てられないという原則

意外かもしれませんが、建築基準法には「一つの敷地内には一つの建物しか建ててはいけない」という決まりがあります。これを「一建築物一敷地の原則」と言います。

そう言われてしまうと、「すでに母屋としての住居がある場合、同じ敷地内に小屋や離れを建てることはできないのでは?」と思われるかもしれませんが、ここでポイントとなるのは建物とは何を指すのかということです。

この場合の建物とは何を指すのか?

ここで指す建物とは、生活するための用途を満たしている建物のことを指します。生活の用途を満たしている建物とは何を指しているのかを具体的に言うと、キッチン・トイレ・浴室がある建物のことになり、この3つ(キッチン・トイレ・浴室)がある建物を「用途上可分」と言います。

対して、この3つ(キッチン・トイレ・浴室)が無い建物のことを「用途上不可分」と言いますが、この場合は、ここで言う建物には該当しません。したがって、この場合同じ敷地内に増築をしても良いということになっているのです。

なお、用途上可分と用途上不可分については下の表の通りです。

 ポイントどんなものが当てはまるか
① 用途上可分キッチン、トイレ、浴室の全てがある建物完全に生活を分けた二世帯住宅としての離れ
② 用途上不可分キッチン、トイレ、浴室のいずれかが無い建物仕事部屋としての小屋・離れ
趣味部屋としての小屋・離れ
店舗や教室を目的とした小屋・離れ

ですので、ほとんどの小屋や離れの場合は「② 用途上不可分」に該当すると思いますので、同じ敷地内でも増築できるということになります。

逆に、完全に生活を分けた二世帯住宅を目的として増築する場合は「① 用途上可分」に該当するため、同じ敷地内には増築できないということになります。

それでも敷地内に別世帯の離れを増築したい場合は?

それでは、「① 用途上可分」に該当する建物を同じ敷地内に二世帯住宅として離れを増築したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
この場合は、適切な手続きを行うことで敷地内に二世帯住宅を離れとして増築することが可能になります。具体的には、敷地を2つに分ける手続きをすることになりますが、その方法は次の2つになります。

敷地の分け方方法申請場所
分割建築確認申請上の手続き。確認申請時に提出する図面上で敷地を分ける。市町村の建築指導課など
分筆登記上の手続き。敷地を2つ以上に分けた上で、各土地の所有者を登記する。法務局

尚、敷地を2つに分けるという意味では、分割、分筆とも同じですが、その違いは登記簿上でも土地が分かれることになるかどうかの違いです。

  • 分筆:登記簿上では別の土地として登記される。
  • 分割:登記簿上では同じ土地のままで、それぞれの土地が建築基準法の基準を満たした建物を建築できる。

ただし、市街化調整区域では分筆できない場合や、分筆も分割もできない場合もありますので、離れの建築を検討する段階で調べておく必要があります。

建ぺい率と容積率は基準以内であるかどうか

建ぺい率、容積率とは、一言でいえば「この土地にはこのサイズまでの建物なら建ててもいいですよ」という指標のことです。

まず建ぺい率ですが、これは敷地面積に対する建物面積の割合のことを言います。お住まいの地域により建ぺい率は異なっていて、例えば建ぺい率が60%と定められている地域では、敷地内の全ての建物の面積を合わせて60%以内に収まっていなければならないということです。

たとえば、建ぺい率が60%の場合で、敷地面積が100㎡なら、そこに建てられる建物面積は60㎡以内でなければなりません。

次に容積率についてです。容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合のことを言います。建ぺい率と同じようにお住まいの地域によって異なりますが、定められた範囲内で建築しなければならないという点は同じです。

たとえば、容積率200%の場合で、敷地面積が100㎡なら、そこに建てられる建物の延床面積(母屋と小屋・離れの合計)は200㎡以内でなければなりません。

土地が防火地域・準防火地域にある場合は

防火地域や準防火地域とは、都市計画法において「市街地における火災の危険を防除するために定める地域」として指定されているエリアになります。これら防火地域や準防火地域にある場合、建物の構造や材料に一定の条件が付けられます。また、防火地域・準防火地域には住宅の延焼ラインというものが定められています。

延焼ラインについて詳しくは割愛しますが、簡単に説明すると「隣地や接する道路で火災が発生した際に火が燃え移る可能性がある範囲」のことを言い、建物の1階部分であれば、隣地境界線や接する道路中心線から3mといった定めがあります。

また、延焼ラインの外側にある部分については、窓やサッシを防火仕様にしたり、外壁を防火構造にする必要があるため、その分建築コストが増えてしまうことに繋がります。

その他、建物の高さと境界線の規定など

自分の所有する敷地だからといって、建物を希望する大きさで好き勝手に建てられるかというと、ここまで解説してきたように、そんなことはありません。

上記以外にも、建築基準法によって、前面道路や隣地の採光、通風を確保するために、建物の高さを制限する斜陽制限や北側斜線、隣地境界線との距離などさまざまな決まりがあり、それらをすべてクリアする必要があります。

このように、小屋や離れを増築する際には、建築確認申請だけでなく、さまざまな法規制を理解し遵守する必要があります。増築計画を立てる際には、事前にしっかりと情報を収集し、必要であれば専門家のアドバイスを受けることが重要です。これにより、後々のトラブルを防ぎ、安心して施工を進めることができるでしょう。

施工業者を選ぶ際に、これらのことも含めてしっかりとサポートしてくれる業者を選ぶことが大切です。

小屋や離れ増築の際に固定資産税は増える?

固定資産税は土地と建物に課される税金で、建物の評価額に基づいて決定されます。増築によって建物の評価額が上がると、当然ながら固定資産税も増加します。

具体的には、新たに増築した部分の建物評価額がどうなるかによって、税額が変動します。増築した小屋や離れが居住用として使用される場合や、一定の基準を満たす建物と認定される場合、その評価額が計算されます。 また、増築後に自治体が行う固定資産税の評価見直しにより、固定資産税の額が変更されることもあります。このため、増築を検討する際には、事前に自治体に確認し、増築後の評価額の見通しを立てておくことが重要です。

なお、固定資産税の評価基準や税率は自治体ごとに異なるため、地域の役所での確認が必要です。特に、増築が住宅の価値をどの程度上昇させるか、またそれが税額にどのように影響するかを具体的に把握しておくことが大切です。計画段階でこうした要素を考慮に入れることで、予期せぬ税負担を避けることができます。

なお、住宅(建物)に課税させる固定資産税については、築年数が浅い場合は、軽減措置もありますので、実際にどの程度の税額になるのかについて、詳しくは施工するリフォーム会社や工務店に相談しましょう。

確認申請だけでなく、増築後に登記は必要

建物を増築した場合、原則として増築完了後1ヶ月以内に「建物表題変更登記」を行う必要があります。登記をしなかったとしても罰則があるわけではありませんが、登記しないことによる将来的なデメリットがありますので忘れずに登記するようにしましょう。建物表題変更登記をしなかった場合、次のようなデメリットがあります。

家を売却する際に困る

増築をして建物表題変更登記をやっていない場合、家を売却する際にスムーズにいかない可能性があります。家を売却する際、通常は買い主側がローンを組んで購入するうことになるケースがほとんどです。しかし、増築された部分の登記がされていないとローンの審査がスムーズにいかず、結果的に登記を求められます。

家を相続する際に困る

増築して建物表題変更登記をやっていない場合、売却だけでなく相続の際にも困るケースがあります。相続の際には相続人同士で話し合い、遺産分割協議が行われますが、その際に増築された部分の登記がされていないと、増築された部分は誰の所有なのかが問題になり相続がスムーズにいかないケースがあります。

財産と権利が守られない

日本は地震だけでなく、水害など自然災害の多い国です。増築後に建物表題変更登記をしておらず、地震や台風などの水害で被災してしまった場合、登記されていない部分の補償などがスムーズに受けられないといった可能性があります。

なお、建物表題変更登記については確認申請と同じく、10㎡以下であれば不要ということを聞いたことがあるかもしれませんが、これはカーポートやバルコニーだけを増築した場合の話です。不動産登記法上、増築した際の登記は必ず行わなければならいので注意しましょう。

増築の際の確認申請や法律 まとめ

小屋や離れを増築する際の確認申請や法律などについて解説してきました。

昨今では、テレワークの普及なども追い風となり自宅敷地内に造る「第3の場所」としても小屋や離れは人気があるのではないでしょうか。また、建築方法についても、小さなものであれば、業者に依頼という選択肢だけでなく、インターネットでDIY向けのキットも販売されていることで、より手軽感を増しているという面もあるかと思います。

しかし、建築物である以上は、一般的な住宅同様にさまざまな法律や条例に沿って建てる必要があり、違反するとペナルティを課されるリスクも伴います。

敷地内に建築を計画している小屋や離れが適法かどうかは、建築の専門家以外には判断が難しいところもありますので、まずは専門家に相談をして、どのような小屋や離れを建てられるのかを確認しながら検討していくことをおすすめします。

愉くらしリフォームの大功では木造建築・木造リフォームを得意としています。離れ(小屋)・増築の施工実績も豊富で、相談も多く受けていますので、増築に関するさまざまなご相談やご要望についてのアドバイスが可能です。千葉県松戸市、市川市のお客様はぜひお気軽にご相談ください。

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