2026年も、住まいの省エネリフォームを後押しする大型補助金「住宅省エネ2026キャンペーン」が、2025年11月28日の閣議決定により実施されることが決まりました。窓の断熱や給湯器の交換、断熱・設備の省エネ改修など、リフォームでも活用できる制度が用意されています。
ただ、補助金は複数の事業に分かれていて、はじめて調べる方ほど「結局、どれが使えるの?」「どれが自分に関係あるの?」となりやすいのが正直なところです。
そこでこの記事では、リフォームに関係する内容だけに絞って、住宅省エネ2026キャンペーンの全体像を整理します。さらに、2025年からの変更点についても、3つの補助金事業を比較表でまとめて確認できるようにします。
※各制度の「対象工事の細かな条件」「補助額の詳細」「対象製品」などは、別の記事で詳しく解説します。
目次
Toggle住宅省エネ2026キャンペーンとは
住宅省エネ2026キャンペーンは、住宅の省エネ化を進めるために国が実施する補助金事業の総称です。
リフォームにおいては、断熱性の向上や高効率設備への入れ替えなど、住まいのエネルギー消費を減らす工事が主な対象になります。
制度としては、経済産業省・国土交通省・環境省の“3省連携”で実施されるのが特徴です。
リフォームで関係するのはこの3つ(制度の全体像)
住宅省エネ2026キャンペーンのうち、リフォームでまず押さえておきたいのは次の3事業です。
- 先進的窓リノベ2026事業(窓・ドアの断熱改修)
- 給湯省エネ2026事業(高効率給湯器への交換)
- みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)(断熱・設備など幅広い省エネ改修)
ざっくり言うと、「窓(開口部)」「給湯(給湯器)」「断熱・設備を含む省エネ改修(幅広い工事)」という3つの方向性で整理すると理解しやすくなります。
3つの補助金事業の概要
ここからは、リフォームで関係する3つの補助金事業について、「どんな工事のときに使いやすいか」をざっくり整理します。
細かな条件や補助額は制度ごとに異なるため、詳細はそれぞれの解説記事で確認できるようにしています。
1.先進的窓リノベ2026事業(窓・ドアの断熱)
「冬の寒さがつらい」「結露が気になる」「冷暖房の効きが悪い」といった悩みは、窓まわり(開口部)の断熱性能と関係していることが多いです。
先進的窓リノベ2026事業は、そうした窓・ドアの断熱改修を後押しする制度です。
窓のリフォームは、体感の変化が分かりやすく、住まいの快適性や冷暖房費にも影響しやすい分野です。
「まずは窓から」という検討の仕方をされる方も少なくありません。
(→ 詳細は「先進的窓リノベ2026事業」解説記事へ)
2.給湯省エネ2026事業(高効率給湯器への交換)
給湯省エネ2026事業は、高効率給湯器への交換を支援する制度です。
給湯器は、壊れてから慌てて交換するケースも多い設備なので、「そろそろ年数が経ってきた」「調子が不安」と感じているなら、補助金の動きと合わせて検討しやすい領域です。
また、給湯器の交換は工期が比較的短いことも多く、住まい全体の大きな工事と比べて検討のハードルが下がりやすい点も特徴です。
(→ 詳細は「給湯省エネ2026事業」解説記事へ)
3.みらいエコ住宅2026事業(幅広い省エネ改修の受け皿)
みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)は、断熱改修や設備改修など、幅広い省エネリフォームを対象にする制度です。
窓や給湯のように「特定テーマに特化」というより、住まいの状態や計画している工事内容に応じて、複数の省エネ改修を組み合わせて検討しやすい“受け皿”的な位置づけになります。
「窓だけ」「給湯器だけ」ではなく、断熱や設備も含めて住まい全体を整えたい場合は、この制度が関係してくる可能性が高いです。
(→ 詳細は「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)」解説記事へ)
併用(ワンストップ)の考え方
住宅省エネ2026キャンペーンの分かりにくさの一つが、「補助金が3つある」という点です。
ただ、見方を変えるとこれはデメリットではなく、リフォーム内容に合わせて制度を組み合わせやすい設計だとも言えます。
併用の考え方は「工事内容ベース」
ポイントはシンプルで、補助金を選ぶのではなく、やりたいリフォーム(工事内容)から制度が当てはまるかを考えることです。たとえば、同じリフォーム計画でも…
- 窓の断熱改修をする
- そのタイミングで 給湯器も交換する
- さらに 断熱や設備の省エネ改修も検討する
といったように、複数のリフォーム工事が同時に発生するケースがあります。
このとき、窓は「窓リノベ」、給湯器は「給湯省エネ」、幅広い省エネ改修は「みらいエコ住宅2026事業」と、それぞれの役割に応じて対象制度が分かれているという理解がしやすいです。
“同じ工事”を二重に取れるわけではない
一方で、併用といっても「何でも全部、重ねて取れる」という意味ではありません。制度側で、同一工事の二重カウントにならないようにルールが設けられています。なので、実際には
- 工事の内容
- 対象になる製品・仕様
- どの制度として申請するか
を整理しながら、「どのように申請するのが最適か」を決めていく形になります。
典型的な組み合わせ例(イメージ)
細かな条件は制度ごとに確認が必要ですが、考え方のイメージとしては次のような組み合わせがあり得ます。
- 窓(窓リノベ)+給湯(給湯省エネ)
- 窓(窓リノベ)+断熱・設備(Me住宅)
- 給湯(給湯省エネ)+断熱・設備(Me住宅)
- 窓+給湯+断熱・設備(3制度を横断して検討)
「自分の家はどの制度が使える?」という疑問は、結局のところ “工事の組み合わせ次第” で答えが変わります。
次のセクションでは、2025年から2026年にかけて、各制度の条件や補助額がどう変わるのかを比較表で整理します。
住宅省エネ2025キャンペーンからの変更点は?
住宅省エネ2026キャンペーンは、リフォーム目線では「窓」「給湯」「省エネ改修」の3事業で整理できます。
枠組みは継続しつつ、補助上限や加算条件などに見直しが入っているため、まずは変更点を比較表で確認しておきましょう。
| 事業(リフォーム) | 2025(主な条件・補助額) | 2026(主な条件・補助額) | 変更点(要点) |
| 先進的窓リノベ | 上限:200万円/戸 | 上限:100万円/戸 | 上限が200→100万円に変更 |
| 給湯省エネ | 基本額+加算+撤去加算(構成) | 基本額・加算・撤去加算が見直し | 加算/撤去加算の条件・金額が見直し |
| (旧)子育てグリーン住宅 →(新)みらいエコ住宅(Me住宅2026) | 上限:60万円/戸/40万円/戸(区分) | 上限:40・50・80・100万円/戸(段階) | 上限が段階化。要件も“水準到達”寄りに |
※補助額の細かな内訳(対象製品・加算要件・申請条件など)は制度ごとに異なります。
申請方法(リフォームでの流れを簡単に)
住宅省エネ2026キャンペーンの補助金は、「施主が自分で申請する」仕組みではなく、登録した事業者(施工会社など)が申請手続きを行う形になっています。申請の流れは、イメージとしては次の通りです。
- リフォーム内容を整理する(窓/給湯/省エネ改修のどれに当たるか)
- 対象になり得る工事・製品かを確認する(制度要件に合うか)
- 見積・工事計画を固める
- 登録事業者が申請手続きを進める(必要書類の準備・提出)
- 交付決定〜工事〜実績報告(制度の手順に沿って進行)
また、各制度には「対象となる工事時期」や「申請受付期間」が設定されます。年度ごとに運用が更新されるため、最終的には公式情報や制度の公表内容を確認しながら進める形になります。
自分のリフォームはどれに当てはまる?
住宅省エネ2026キャンペーンは制度が複数あるため、最初は「どれを使えばいいのか」で迷いがちです。ただ、考え方はシンプルで、補助金から選ぶのではなく、やりたいリフォームから当てはめるのが近道です。
1)暑さや寒さ・結露が気になる → 先進的窓リノベ2026事業
- 夏に窓まわりが暑く感じる/冬に冷えを感じる
- 結露が出やすい
- 冷暖房の効きがいまいち
こうした悩みは、窓まわり(開口部)の断熱性能と関係していることが多いです。内窓の設置や窓の交換、ドアの断熱などを検討する場合は、まず 先進的窓リノベ2026事業 が関係しやすい領域になります。
(→ 詳細は「先進的窓リノベ2026事業」解説記事へ)
2)給湯器が古い・交換時期 → 給湯省エネ2026事業
- 給湯器の年数が経ってきた
- お湯の温度が安定しない、異音がする
- 交換の見積を取り始めている
給湯器の交換を検討している場合は、給湯省エネ2026事業 が関係しやすい領域です。
故障してから慌てて交換するケースも多い設備なので、「そろそろ不安」という段階で補助金と合わせて検討できるとスムーズです。
(→ 詳細は「給湯省エネ2026事業」解説記事へ)
3)断熱や設備も含めて省エネ化したい → みらいエコ住宅2026事業
- 断熱改修も含めて、住まい全体の快適性を上げたい
- 設備もまとめて省エネ化したい
- いくつかの工事を組み合わせて検討したい
こうしたケースでは、みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026) が“受け皿”になりやすい領域です。
窓や給湯のような単体の工事だけでなく、住まいの状況や計画内容に応じて整理していくイメージになります。
(→ 詳細は「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)」解説記事へ)
4)工事が複数にまたがる場合は「組み合わせ」で考える
たとえば「窓の断熱」と「給湯器の交換」を同時に行う、さらに断熱や設備改修も検討する、といったケースでは、制度を横断して検討することになります。このあたりは工事内容や対象条件によって最適な組み方が変わるため、見積や工事計画とセットで整理していくのが現実的です。
まとめ
住宅省エネ2026キャンペーンは制度が複数あるため、最初は分かりづらく感じるかもしれません。
ただ、リフォーム目線では次の3事業を押さえることで、全体像が整理しやすくなります。
- 先進的窓リノベ2026事業(窓・ドアの断熱)
- 給湯省エネ2026事業(高効率給湯器)
- みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)(幅広い省エネ改修)
住宅省エネ2026キャンペーンは、2025年の内容から補助上限や加算条件などに見直しが入っています。
まずは本記事の比較表で変更点を把握し、次に「自分の工事内容がどの制度に当てはまりそうか」を確認する、という順番で進めるとスムーズです。
各制度の対象工事や補助額の詳細は、個別の解説記事で分かりやすく整理していきます。
「検討しているリフォームで使える補助金は?」 「うちの場合、どれが使えそう?」という段階でも大丈夫ですので、必要に応じてお気軽にご相談ください。
※本記事は、2025年11月28日の閣議決定等、現時点で公表されている情報をもとに作成しています。
※補助金制度は、今後、対象要件・補助額・申請期間・手続き等が変更・更新される可能性があります。
※最新情報は、各事業の公式発表(事務局・関係省庁)をご確認ください。
※当サイトの記事内容も、情報の更新が確認でき次第、随時アップデートします。








